食物、蜂刺されによる急性アレルギーにそなえる

アナフィラキシーってなあに.jpアナフィラキシーってなあに?

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食物アレルギー患者さん体験記 vol.3

食物アレルギーを持ちながら幼稚園に通うお子さんについて、お母さんにお話を聞きました。

どこまで悪くなっちゃうのって感じた時期もありました

私の息子は授乳後に全身にじんましんがでるようになり、病院を受診したところ、食物アレルギーであることが分かりました。いま、ようやく4歳になりましたが、まだまだ子どもの食物アレルギーに悪戦苦闘する毎日です。当初、アレルゲンに特定されたのは卵と牛乳だけだったので、よくある子どものアレルギー症状のひとつで、成長するにつれてそのうち治るかなと、軽く考えていました。ところが、それからも小麦、ナッツ類、ごま、牛肉、大豆と、どんどん食べられないものが増えてきてしまいました。初めは全身じんましんだけだった症状も、呼吸困難をともなうアナフィラキシーを起こすようになり、どこまで悪くなるの、もう治らないんじゃないかって、不安がつのる毎日でした。

息子が食物アレルギーと診断されて以来、家族の食生活も激変しました。幼いうちは何もわからず食べ物に手を伸ばして触ろうとするので、誤食を避けるため調理に卵や牛乳などをいっさい使わないようにしていました。息子中心の食生活となり、自分の食事が適当になってしまったんでしょうね。元気が出ず、すごく老けちゃったと感じた時期もありました。

セミナーをきっかけに、園の先生と情報共有がしやすくなりました

今、息子を診てもらっている先生は、3人目の先生です。それまでの先生方もいろいろと親身になってくださったのですが、食物除去などの治療方針に違いがあり、戸惑うこともありました。そんなとき、知り合いのアレルギー児を持つお母さんに相談してみたところ、今の主治医を紹介されたんです。その後も、そうやって周りのお母さん方にいろいろと相談するようになって、たくさんアドバイスをもらいました。

それでも、息子を受け入れてくれる幼稚園をみつけるのは、簡単ではありませんでした。話を聞いてくれた園はわずかで、重症食物アレルギー児にとっては厳しい状況がありました。幸運にも信頼できる園にめぐりあい、通園できることになりましたが、その園でも重症食物アレルギー児を受け入れた経験はなく、誤解もあったのが現実でした。そんな時、園の先生の1人が、区が主催する食物アレルギーのセミナーに一緒に出席してくださったんです。食物アレルギーについての最新の情報はそれまでに先生方が持っていた知識とはかなり違ったようですし、アナフィラキシーを発症したときの子どもの様子や対処法についてはよく知らなかったと、とても驚いておられました。セミナーに参加していただいたことをきっかけに、もしものときの対応やアドレナリン自己注射薬の重要性も理解いただけましたし、半年たった今ではお互いの情報共有もよりスムーズにできるようになりました。

食への興味を失わないように、サポートしてあげたい

家では小さいころから、食べられないものを見せて「カイカイになるから食べちゃだめよ」って話をしてきました。幼稚園に入ったころから、みんなと同じものが何でも食べられるわけではないことや、食べたらどんな症状が出るかの自覚が出てきたように思います。幼稚園の先生が周りの子どもたちに話をしてくれたときにクラスメイトに励まされたことがきっかけで、「僕、アレルギーの治療がんばってるんだもん!」と言うようになりました。息子なりに理解して、アレルギーと戦っている、と考えているんだと思います。それでも自分だけ周囲と違うことにさみしさはあったみたいで、幼稚園の先生が息子のために用意してくれた給食と同じお弁当箱を、とても喜んでいました。中身が違っても、みんなと同じお弁当箱で食べられることがとても嬉しかったのですね。家に帰ってからも楽しそうに話をしてくれました。

自覚するにつれて、息子にとってアレルゲンはとにかく怖いものになっていたようです。最近、検査の結果で牛乳の摂取できる量が少し増えたのですが、栄養士さんの指導を受けて初めて飲んだジュースに、こんなにおいしかったんだ!と、とても驚いて、そしてよろこんでいたのは印象的でした。これからも食への興味を失わないように、サポートしていってあげたいなと思っています。

牛乳タンパク質の含有量の少ない乳酸菌飲料

きっとうまくやっていける、そう前向きに捉えるようにしています

最近、加工食品のアレルギー表示推奨品目にごまとカシューナッツが追加され、対応食品も増えてきています。息子はごまにもアレルギー反応が出てしまうため、こうした対応は食品を安心して選べるので大変助かっています。

今は「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が制定されて全国の学校に広まっていますし、学校ごとにバラバラだった対応が整い始めているという話も聞きます。テレビでも食物アレルギーについてよく取り上げられるようになり、学校や社会全体の理解は深まっているように感じます。なによりも、先輩ママさん方が苦労しながらも、学校との関係づくりの道を作ってくれています。いろいろな方々の力をお借りしながらがんばっていけば、これからも、息子と一緒にきっとうまくやっていけるんじゃないかと前向きに考えています。

専門医の先生から

昭和大学 医学部 小児科学講座 講師 今井孝成 先生

食物アレルギーの診療は最近劇的に変化しています。そのような中で、診療や指導内容に違いがでることは少なくありません。適切な診断や指導を受けるための努力が患者さん側にも必要な場合があることを知って下さい。また保育所・幼稚園・学校の対応もまだまだ千差万別で、必ずしも適切ではないこともあります。保護者の方々の苦労はしばらくは続くことになるでしょう。
しかし、状況は徐々にですが明らかに改善しつつあります。食物アレルギー児たちのために、皆がますますたゆまぬ努力を続けていくことがいま必要とされています。

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