原因別アナフィラキシー
|食物アレルギー
|代表的な食物アレルゲン
「ピーナッツ」はそば同様、微量でもアナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こしやすい食物です。その特徴や日々の食生活において気をつけておきたいポイントを解説します。
監修
昭和医科大学 医学部 小児科学講座
教授 今井 孝成 先生
日本におけるピーナッツ(落花生)アレルギーの有病率は欧米よりも少ないと考えられていましたが、小児での有病率は増加傾向にあり1)、全体で5番目に多いアレルゲンです。ピーナッツ(落花生)は重篤な症状が誘発される可能性が高いことが
知られています2)。
ピーナッツ(落花生)アレルギーは、他の食物と同様に治りにくいといわれ、報告にもよりますが約20%が治るとされて
います3)。
ピーナッツ(落花生)オイルを含めた除去が必要です。ピーナッツ(落花生)は「ナッツ(木の実)」と勘違いされることが多いですが、ピーナッツ(落花生)は豆類です。このため、ピーナッツ(落花生)アレルギーがあっても、クルミ、
カシューナッツなどのナッツ(木の実)をまとめて除去する必要はありません3)。
また逆に、何らかのナッツアレルギーが
あっても、ピーナッツ(落花生)を除去する必要はありません。
さらに、ピーナッツ(落花生)アレルギーであっても、ほかの豆類(大豆、えんどう豆、小豆、レンズ豆、ひよこ豆など)をまとめて除去する必要もありません。
またピーナッツ
(落花生)はローストする(炒る)ことでアレルゲン性が高まることが知られています4)。
その他、ピーナッツ(落花生)はチョコレートやジーマーミ豆腐、つくだ煮、和菓子などの食品やカレールーなどの調味料に含まれていることがあるので、
注意が必要です3)。
ピーナッツ(落花生)は特定原材料であり、表示義務があるため、容器包装された加工食品では原材料表示で確認することができます。表記はピーナッツでも落花生でも良いとされています。
落花生は殻付きのものを連想させますが、ピーナッツと同一のものです。
参考文献
本サイトに掲載された健康情報は啓発を目的としたものであり医師等のヘルスケアプロバイダーに対する相談に取って代わるものではありません。
患者さんの治療に関しては、個々の特性を考慮し医師等のヘルスケアプロバイダーと相談の上決定すべきものです。