食物、蜂刺されによる急性アレルギーにそなえる

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専門医が動画で解説食物アレルギーの診断

食物アレルギーは免疫を介する反応ですので、免疫に関係する言葉がふたつ登場します。 ひとつはマスト細胞、ひとつはみなさんご存知IgEです。
IgEはマスト細胞の周りにこのように取り付いていて、原因食物を認識するような働きがあります。

例えば、原因食物Aを特別に認識するIgEというものがありまして、このIgEは原因食物Aが体の中に入ってくると、かちりとはまってその刺激がマスト細胞に伝わっていきます。
一方、原因食物Bを認識するIgEを持っていたとしても、原因食物Aが体の中に入ってきたとしてもその型ははまりませんので何も反応は起きないわけであります。

例えばこの楕円の原因食物を認識するマスト細胞、IgEを持っていたとすると、体の中にその物質が入ってくると、IgEに取り込まれて、そのマスト細胞に刺激が伝わります。
細胞中からは細胞の中のさまざまな物質が放出される中で、その物質がさまざまなアレルギー症状を発現してくるというふうに説明できます。
この説明を聞いていただきますと、食物アレルギーのメカニズムにこのIgEが極めて重要であるということがおわかりいただけますし、また今は原因食物AのIgEというふうに説明しましたが、卵白のIgE、牛乳のIgEなどが検査できるわけであります。
そういたしますと、卵白のIgEがある患者さんは卵白アレルギー、牛乳のIgEがある患者さんは牛乳アレルギーと診断できそうと考えがちでありますが、そのような簡単な話ではありません。

例えば、4歳男児の検査の結果をご覧いただくと、みなさんもご存知のように、この検査はスコア0から6の7段階で評価されるわけですが、その陽性の基準はスコア2以上ということになります。
この患者さんは卵、牛乳、小麦、ゴマ、アレルギーと診断される傾向があるわけですが、実際はこの患者さんは食物アレルギー患者さんではありません。

なぜこのようなことが起こるのかというと、こちらのグラフから説明がつきます。
これは卵アレルギーの患者さんに卵を食べさせて食べられなかった割合を、卵を食べさせる直前の卵白特異的IgE値スコア0から6までありますと言いましたけれども、そのスコア別に示しているものです。

そもそも卵アレルギーになぜ卵を食べさせるのかというふうに疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんのときに発症する食物アレルギーのうち、卵、牛乳、小麦、大豆の多くは治っていくということがわかっています。
具体的には、3歳までに5割、6歳までに9割ほどは食べられるようになるといわれております。
このために、卵、牛乳、小麦、大豆アレルギーのお子さんたちは、是非就学前に食物負荷試験を受けて、食べられるようになったかどうかを確認してもらうべきであります。

この患者さん方も、そろそろ医師が食べられるのではないかと考えて負荷試験、食べさせた結果であります。
スコア6の上に小さく7という数字があるのは、これはスコア6の患者さん7名に食べさせたという意味でありますが、本来スコア6でありますので、食べられない可能性が極めて高いと思われますが、選ばれた7名でありますけれども、その陽性率は6割を切ってきます。
また逆に、スコア0の患者さん45名やっておりますが、本来は食べられるはずでありますが、これも食べられるのかどうか不安な患者さん方にやってみると、やはり10%程度陽性になるわけであります。
スコアは2以上が陽性というふうに先ほど申し上げましたが、スコア2以上の患者さん方の負荷試験の陽性率を見ていただくとおわかりの通り、決して100%というところではないことがおわかりいただけると思います。
しかし、なぜ医師はこの特異的IgE値の検査をするのかと申し上げますと、ご覧のように、スコアが上がるにつれて、その陽性率がきれいに上がってくるからであります。
つまり、食物アレルギーの診断は、この特異的IgE値によってはおこなわれないと、その傾向がわかるためにやるんだと、というふうに是非ご理解ください。

もうひとつ、食物アレルギーの診断に、皮膚テスト、プリックテストといわれますけれども、こちらがおこなわれる傾向がございますが、こちらに関しては今申し上げた特異的IgE値の検査よりも、陽性になりやすい傾向がありますので、この検査の結果をもって診断を進めていってしまうと、除去されすぎの傾向がありますので、注意が必要です。

食物アレルギーの検査はいくつかありますが、これらを、あらゆる検査は、それ単独もしくは組み合わせても食物アレルギーを確定させるものはありません。
唯一、その原因食物と思われるものを食べてみて、診断が確定するものであります。

つまり、食物アレルギーの診断には、食物負荷試験がGold Standard、標準であるというふうに考えてください。

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