原因別アナフィラキシー
|食物アレルギー
監修
昭和医科大学 医学部 小児科学講座
教授 今井 孝成 先生
子どものアレルギーは、赤ちゃんのころのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーに始まり、2,3歳で気管支喘息、学童期に向かって季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)を合併してくることが多いです。
このように成長とともにさまざまな
アレルギー症状が現れたり、治っていたりすることをマーチ(行進曲)に例えて「アレルギーマーチ」と呼んでいます。
0歳の赤ちゃんに多いアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症予防が、その後のアレルギーマーチの予防につながる可能性が研究されています。
小児期に発症した鶏卵・牛乳・小麦などの食物アレルギーは、成長とともに自然に良くなることが期待できます2)。
一方で、最近の米国のデータによると、小児期発症の食物アレルギーであっても、これまでに考えられていたよりも成人期以降
まで症状が続く可能性が高いことが報告されています3)。
将来的に成人の食物アレルギー患者さんが増加することが懸念
されるため、日本では成人の食物アレルギー患者さんを診る医療機関の増加や、小児期に発症した食物アレルギー患者さんが小児期医療から成人期医療にスムーズに移行できるよう支援体制の確立が必要とされています4)。
東京都3歳児健康診査におけるアレルギー調査によると、食物アレルギーを有する子どもの割合は増加傾向にあります。
【調査概要】
調査対象: 令和元年10月に都内区市町村で実施した3歳児健康診査の受診者及びその保護者2,727人(回収率 32.7%)
調査方法: 区市町村に協力を依頼し、3歳児健康診査の会場で無記名による自記式調査票を保護者8,343人に配布し、郵送またはWebの入力フォームにより
回答を得た。なお、基本属性(居住地域・性別・通所(園)状況)、アレルギー疾患の状況、アレルギー疾患対策に関する希望等を調査項目とした。
東京都健康安全研究センター:「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査(令和元年度)報告書」令和2年10月参照 より作図
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/20203saiji_1-3.pdf
参考文献
本サイトに掲載された健康情報は啓発を目的としたものであり医師等のヘルスケアプロバイダーに対する相談に取って代わるものではありません。
患者さんの治療に関しては、個々の特性を考慮し医師等のヘルスケアプロバイダーと相談の上決定すべきものです。