小児期食物アレルギーの特徴|食物アレルギー|原因別アナフィラキシー|アナフィラキシーってなあに.jp|ヴィアトリス製薬合同会社
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アレルギーマーチ1)

子どものアレルギーは、赤ちゃんのころのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーに始まり、2,3歳で気管支喘息、学童期に向かって季節性アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)を合併してくることが多いです。
このように成長とともにさまざまな
アレルギー症状が現れたり、治っていたりすることをマーチ(行進曲)に例えて「アレルギーマーチ」と呼んでいます。
0歳の赤ちゃんに多いアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症予防が、その後のアレルギーマーチの予防につながる可能性が研究されています。

子どもの食物アレルギーが
成人になっても続く可能性

小児期に発症した鶏卵・牛乳・小麦などの食物アレルギーは、成長とともに自然に良くなることが期待できます2)
一方で、最近の米国のデータによると、小児期発症の食物アレルギーであっても、これまでに考えられていたよりも成人期以降
まで症状が続く可能性が高いことが報告されています3)
将来的に成人の食物アレルギー患者さんが増加することが懸念
されるため、日本では成人の食物アレルギー患者さんを診る医療機関の増加や、小児期に発症した食物アレルギー患者さんが小児期医療から成人期医療にスムーズに移行できるよう支援体制の確立が必要とされています4)

子どもの食物アレルギーは
年々増加傾向にある

東京都3歳児健康診査におけるアレルギー調査によると、食物アレルギーを有する子どもの割合は増加傾向にあります。

1999年から2019年までのアレルギーに関する割合の推移を示す棒グラフ。症状ありの割合は1999年が9.4%、2004年が15.6%、2009年が21.6%、2014年が21.0%、2019年が17.8%。診断ありの割合は1999年が7.9%、2004年が8.5%、2009年が14.4%、2014年が17.1%、2019年が14.9%。全体として症状あり・診断ありの割合は年々増加傾向にある。

【調査概要】
調査対象: 令和元年10月に都内区市町村で実施した3歳児健康診査の受診者及びその保護者2,727人(回収率 32.7%)
調査方法: 区市町村に協力を依頼し、3歳児健康診査の会場で無記名による自記式調査票を保護者8,343人に配布し、郵送またはWebの入力フォームにより
回答を得た。なお、基本属性(居住地域・性別・通所(園)状況)、アレルギー疾患の状況、アレルギー疾患対策に関する希望等を調査項目とした。
東京都健康安全研究センター:「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査(令和元年度)報告書」令和2年10月参照 より作図
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/20203saiji_1-3.pdf

参考文献

  • 日本小児アレルギー学会. 食物アレルギービジュアル
    ブック2023. 2023
  • 厚生労働科学研究班. 食物アレルギーの診療の手引き2023. 2023
  • Warren C,et al. Ann Allergy Asthma Immunol 130: 276, 2023
  • 佐藤 さくら ほか: アレルギー 2024; 73(10): 1200

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患者さんの治療に関しては、個々の特性を考慮し医師等のヘルスケアプロバイダーと相談の上決定すべきものです。

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