原因別アナフィラキシー|蜂毒アレルギー
蜂毒アレルギーへの対策
獨協医科大学埼玉医療センター 呼吸器・アレルギー内科 准教授 平田 博国 先生
蜂に刺されないためには、蜂の習性を知ること、蜂に近づかないことが大切です。
「近づかない、触らない」が基本
毒針を持つ蜂でも、こちらから刺激しなければ、刺されることはまずありません。蜂が相手を襲うのは、巣が攻撃されて危険を感じたとき。蜂に刺されないためには、「蜂に近づかない」、「巣に近づかない」、「蜂や巣に触れない」を守りましょう。
自宅で注意したいこと
靴の中、洗濯物や布団を取り込むときには、蜂がひそんでいないかよくチェックしてから取り込みましょう。アシナガバチやミツバチは民家やその周辺に巣をつくる習性があり、日当たりのよい洗濯物などにとまっていることがあります。
蜂が家の中に入ってきたときは、蜂を刺激してはいけません。明るい方の窓や玄関のドアを開け、自然に外に出るのを待ちましょう。
蜂は巣を守る本能が強く、巣を攻撃されると興奮するため、むやみに近づいたり、棒でつついて落としたりすることや殺虫スプレーを散布することは、絶対に避けましょう。
アウトドアや山で注意したいこと
一番よいのは蜂がいるような場所に近寄らないことですが、屋外作業や山歩きなど、蜂がいそうな場所に行くときは、服装を工夫することによって蜂を避けるようにしましょう。
蜂は黒っぽい色に向かって攻撃したり、甘い匂いに誘われたりする習性があります。それらを避ける服装や持ち物が望ましいでしょう。また、顔や首、腕、足など、露出した部分が真っ先にねらわれるので、なるべく肌を覆う服装を心がけましょう。
蜂に刺されないために
- 服装は白っぽい色や明るい色の長袖を選ぶ。なるべく肌を出さない。
- 黒いバッグ、黒いカメラなど、黒いものは持たない。
- 花柄の服装、花柄のバッグなども避ける。
- 甘い香りのする香水や整髪料はつけない。
蜂に攻撃されたら
蜂が向かってきた時に、手でふりはらったり大声をあげたりすると、かえって蜂を刺激します。目を閉じて、顔を下向き加減にし、身を低くしてじっとしていましょう。興奮した蜂に刺激されて、他の蜂が集団で襲ってくる場合もあります。走らないよう、速やかに、その場から離れてください。
蜂に刺されたら、直ちに最寄りの医療機関を受診し、医師による適切な処置・治療を受けるようにしてください。
アナフィラキシーに備えましょう
過去に蜂に刺されたり、アナフィラキシーの経験がある場合は、アドレナリンを自分で注射する自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を常に携帯しましょう。