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ハチ刺されによる
アレルギーとは1)

ハチに刺されたとき、ハチ毒成分による刺激反応に加えて、ハチ毒成分中のアレルギー反応を起こす成分(アレルゲン)や
ヒスタミンによるアレルギー反応が問題となります。

アレルギー反応として、皮膚が腫れて赤みやかゆみがみられますが、時に全身のじんましんや腹痛、嘔吐、気分不良、呼吸
困難が生じることもあります。重症の場合、血圧が低下してアナフィラキシーショックで死に至る危険性があります。過去に
ハチ刺傷により強いアレルギー症状があらわれたことがある場合は特に注意が必要です。

ハチ刺されは特に夏場に多い

ハチ刺され患者数の月別推移

ハチ刺され患者数の月別推移

安藤 幸穂:日本農村医学会雑誌42(4): 949-955, 1993より引用

ハチ刺されは8月が最も多く、ハチの活動性が盛んな7~10月の4ヵ月間で全体の88%であったとの報告があります。ハチに
刺されることにより、ハチ毒によるアレルギーやアナフィラキシーが起こることがあります。

原因となるハチについて

日本の調査では、アシナガバチによるものが最も多く、次いでスズメバチ、ミツバチの順となっています3)

ハチの種類の比較画像。左から順に、アシナガバチ類、スズメバチ類(オオスズメバチ、キイロスズメバチ)、ミツバチ類が示されている。

ハチ刺されによる死亡数

厚生労働省の調査によると、日本ではハチ刺されによって年間20人ほどが亡くなっています。死因の多くはアナフィラキシーショックと考えられています。
年齢別では中高年者が多く、男女別では男性が多い傾向4)にあります。これは、中高年男性は、草刈りなどの屋外活動でハチと接触する機会が多いと推測されます。
また、男性のほうが重篤な全身症状を起こしやすいとの報告もあります2)。ただし、若年者や女性でも死亡例がみられることから油断は禁物です。

ハチ刺されによる死亡数

(人)

死亡数
2018 2019 2020 2021 2022 2023
死亡数 12 11 13 15 20 21
10 10 12 10 18 18
2 1 1 5 2 3

厚生労働省 人口動態統計
「死亡数、性・死因(死因基本分類)別」より作表

職業性アナフィラキシー

ハチ毒アレルギーの患者さんは職業との関連が深いことがわかっており、職場でのハチとの接触に対して注意喚起がなされています。
職種別では、スズメバチおよびアシナガバチアレルギーの患者さんは、林業・農業従事者、ゴルフ場従事者、
建設業、造園業の順に、ミツバチアレルギーの患者さんは、イチゴ農家、養蜂業の順に多く認められています。
林業事業に関連する職種および養蜂業に従事する方を対象にした調査では、林業・木材製造業従事者の約40%、電気工事業従事者の約30%、養蜂業従事者の約78%がハチ毒特異的IgE抗体に陽性でした3)
また、職場に限らず、スポーツやレジャーなどで山間部に出かける場合でも注意が必要です。

※ハチ毒特異的IgE抗体についてはこちら

参考文献

  • 夏秋 優: 昆蟲(ニューシリーズ) 2020; 23(1): 2
  • 安藤 幸穂: 日本農村医学会雑誌1993; 42(4): 949
  • 平田 博国 ほか: アレルギー2018; 67(2): 89
  • 厚生労働省: 人口動態調査

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患者さんの治療に関しては、個々の特性を考慮し医師等のヘルスケアプロバイダーと相談の上決定すべきものです。

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