検査と治療
アレルギー検査
帝京大学ちば総合医療センター 第三内科 教授 山口 正雄 先生
アレルギーがあるかどうかは検査で調べることができます。アレルギーがある場合やアナフィラキシーのリスクがある場合は、アドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を携帯すると安心です。
食物アレルギーを調べる検査
必要に応じて、血液検査や食物経口負荷試験でアレルゲンを特定していきます。
血液検査
血液の中にアレルギー反応を引き起こすIgE抗体が、どの食物に対してどれくらいあるかを調べます。ただし、この血液検査結果だけで食物アレルギーが診断できるものではありません。
皮膚テスト(プリックテスト)
皮膚にアレルゲン液を少量たらし、プリック針と呼ばれる専用の針で小さな傷をつけます。15分後、皮膚に出た赤みや腫れの度合いから、アレルゲンを判定します。
食物除去試験
アレルギーが疑われる食物を、1~2週間完全に食べないようにして(完全除去)、症状(主に湿疹や胃腸症状)がおさまるかどうかをみます。
食物経口負荷試験
アレルギーが疑われる食物を、一定の間隔で食べてみて、症状が出るかどうかを調べます。アレルゲンの特定、耐性獲得(食べられるようになる)の判断、リスクの評価が可能です。アレルギーやアナフィラキシーが起こることがありますので、専門の医療機関で実施されています。
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蜂毒アレルギーを調べる検査
蜂毒アレルギーの検査には、皮膚検査と血液検査があります。
皮膚検査
スクラッチテスト
細い針で腕の内側に蜂毒を垂らし、注射針で血が出ない程度に軽くひっかきます。アレルギーを持っている場合には、15分後に赤くなったり軽く腫れたりするような反応があらわれます。
皮内テスト
薄めた蜂毒を、皮膚の中に注射します。15分後にその反応の大きさを計測して、陽性か陰性かを判定します。
血液検査
RAST法
採取した血液から蜂毒のIgE抗体というタンパク質の測定量を調べます。血液に蜂毒に対するIgE抗体がたくさん含まれているとアレルギー症状が出やすくなります。蜂に刺された直後の検査では正しい結果が得られないため、1か月以上時間をおいてから、検査を実施します。