原因別アナフィラキシー
|食物アレルギー
食物アレルギーは子どもに多くみられるのが特徴で、患者数は毎年増えてきています。食物アレルギーが起こるしくみや食物アレルギーと間違えやすい病気などについて説明します。
監修
昭和医科大学 医学部 小児科学講座
教授 今井 孝成 先生
人の体には、ウイルスや細菌などの有害なものが入ってきたときに、これらを攻撃して
体を守ろうとする「免疫」という仕組みが備わっています。
ところが、一部の人では、この
仕組みが過剰に働いてしまうことがあります。
ある特定の食物を異物と判断して、免疫が
行き過ぎた反応を起こし、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身にさまざまな症状を
引き起こしてしまうのが食物アレルギーです。
食物によって体に異常が起こるのはアレルギーに限りません。例えば、牛乳を飲んでおなかがゴロゴロしたり下痢をしたり
するのは、牛乳に含まれる乳糖が分解できないために起きる“乳糖不耐症”というものである可能性があり、食物アレルギー
とは分けて考える必要があります。
また、細菌やウイルスなどの病原微生物の感染による急性胃腸炎や、毒キノコやフグなどの毒性成分による中毒反応も
食物アレルギーには含まれません。さらに保存状態が悪いサバやアジなどの青背魚には、魚肉中にヒスタミンが蓄積していることがあり、それを食べることで、かゆみやじんましんなどの食物アレルギーに似た症状が起こることがあります。
ほかにも、ホウレンソウやトマトなどの野菜、チーズやワインなどの発酵食品も同じようなメカニズムで、なんらかの症状を誘発することがあります。いずれも食物を食べたあとに症状が現れるのでアレルギーのように見受けますが、発症のメカニズムにアレルギー反応が関与していない場合、それは食物アレルギーではありません。
原因が何かを慎重に判断して適切に診断・治療することが大切です。
一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会,
食物アレルギービジュアルブック2023, 第1版, p4, 2023,
協和企画, 東京より転載
参考文献
本サイトに掲載された健康情報は啓発を目的としたものであり医師等のヘルスケアプロバイダーに対する相談に取って代わるものではありません。
患者さんの治療に関しては、個々の特性を考慮し医師等のヘルスケアプロバイダーと相談の上決定すべきものです。