原因別アナフィラキシー
|食物アレルギー

原因も症状もさまざま

昭和大学 医学部 小児科学講座 教授 今井 孝成 先生

3大アレルゲン以外にもさまざまなアレルゲンが

鶏卵、牛乳、小麦は“3大アレルゲン”とよばれます。この他にも食物アレルギーの原因となる食物には、そばやピーナッツ、えび・かになどの甲殻類、果物、豆類など幅広くあげられます。どの食物がアレルギーの原因になることが多いのかは年齢によって大きく異なり、乳幼児にとっての主な原因食物は3大アレルゲンである鶏卵、牛乳、小麦ですが、学童期以降になると甲殻類や果物類、小麦などが主な原因食物となります。

代表的な食物アレルゲンへ

人によってさまざまな症状があらわれます

皮膚症状

即時型食物アレルギーの症状でもっとも多く、じんましんやかゆみ、赤みなど、患者さんの約9割にみられます。

呼吸器症状

皮膚症状の次に多いのが、くしゃみ、せき、呼吸困難、ゼーゼー、ヒューヒューなどの症状です。

粘膜症状

口の中がイガイガしたり、唇や口の中、まぶたが腫れるなどの症状が出ます。また外見的にはわかりませんが、のどの粘膜も腫れてくる可能性があります。この場合、気道がせばまり、オットセイの鳴き声のようなせきや、声がれ、声が出なくなってきたりします。さらに進行すると窒息する可能性もあり、迅速な対応が求められます。

消化器症状

腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が出ます。その程度はさまざまです。

アナフィラキシー

以上のような複数の臓器症状が全身に出るものがアナフィラキシーです。このため、非常に多彩な症状があらわれます。特に、血圧低下、それにともなって意識を失うなどの状態はショックと位置づけられ、命にかかわる危険な症状です。