よくある質問 Q&A
蜂毒アレルギーについて

昭和大学 医学部 小児科学講座 教授 今井 孝成 先生
獨協医科大学埼玉医療センター 呼吸器・アレルギー内科 准教授 平田 博国 先生
帝京大学ちば総合医療センター 第三内科 教授 山口 正雄 先生

アレルギー/アナフィラキシーに関連してよくお寄せいただく質問と回答をまとめました。

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どんな蜂でも、刺されるとアナフィラキシーが起こるのでしょうか?

すべての蜂が刺すわけではなく、また、どの蜂にアレルギーが出るかも個人差があります。一般に、アナフィラキシーを引き起こす蜂として、スズメバチとアシナガバチがあげられます。これらは攻撃性が強く、注意が必要です。またミツバチは、攻撃性は低いものの直接接触すると刺されることもあり、アナフィラキシーを起こすことがあります。

蜂毒アレルギーってなあに?へ

登山が好きで、1年を通じて山や森に行きます。蜂刺されに特に注意しなければならない季節はあるのでしょうか?

蜂刺されによる事故が多いのは7~9月の夏場で、特にスズメバチは、発生時期である9~10月を控えた8月下旬頃から攻撃的になるといわれています。それ以外の季節は、夏に比べれば活動はおとなしく動きも鈍くなります。しかし、越冬する蜂もいるため、一年を通じて注意をした方がよいでしょう。

蜂毒アレルギーってなあに?へ

林業に携わっており、作業中に蜂に遭遇することが多いです。蜂に刺されないためにはどのような対策をしておけばよいでしょうか?

仕事環境に蜂がいる場合は、防虫網を着用するとよいでしょう。また、蜂は黒い色を攻撃する習性があるため、服装や荷物に黒っぽい色は避けましょう。

林業や養蜂業など、蜂との接触が多い職種では、アナフィラキシー対策としてアドレナリンの自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)の携帯を専門医師と相談のうえ検討しましょう。

蜂毒アレルギーへの対策へ

以前に蜂に刺されましたが、少し腫れたかなと思う程度で、特に変わった症状はありませんでした。蜂毒アレルギーではないと考えて大丈夫でしょうか?

初めての蜂刺され事故でアナフィラキシーを起こす場合もあれば、初回はかゆみや腫れなどの局所症状があらわれただけなのに、再び蜂に刺されたときにアナフィラキシーを引き起こすこともあります。

蜂毒によるアナフィラキシーは、刺されてから心停止までの平均時間は15分といわれています。このため、蜂に刺されたら直ちに近隣の人に連絡を取り、何らかの全身症状があらわれたら、早急に近くの医療機関を受診してください。

また、既に、アドレナリンの自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)をお持ちの方は、その使用方法について普段からしっかり確認し、緊急の場合でも落ち着いて対応できるようにしておくことが大事です。

蜂毒アレルギーの症状へ

蜂毒アレルギーは治療できますか?アレルゲンを少しずつ注射して、身体を慣らしていく方法があると聞きました。

蜂毒、ハウスダスト、食物、花粉など、アレルゲンを少しずつ体内に取り込んで、徐々に抵抗力をつけていく「アレルゲン特異的免疫療法」があります。蜂毒アレルギーの場合は、16歳以上で以前にアナフィラキシーの経験があり、蜂毒に対する抗体がある人が対象となります。この治療が受けられるのは特定の医療機関に限られており、現在保険は適用されておりません。

検査と治療へ